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我侭に生きる。母の遺言 [雑感]

母が、二度目の入院(それは結局、家に戻ることはできませんでしたが)をしているときでした。
私は、人数ばかり多い母の姉たちから「会社を休んで毎日付き添え」と命令され、それに従って、毎日母の元に通っていました。
母の命は「あと一月」と、主治医から言われていました。
おそらくもう、「どこも痛くなく、苦しくも無い」という日は、一日も無かったのだと思います。
それでも、あの日は、ほんの少しは調子がよかったのでしょうか。
良いお天気の日でした。
同じ部屋に入院している年配の女の人が、毎日顔を見せる私に、
「お仕事はいいんですか?」と、問いました。
私はなるべくさりげないように、「はい、今ちょうど忙しくない時期なんです」と、答えました。
今の会話で母が何か感じ取ってしまったのではないかと私は怯え、何か明るい方向に話を持っていきたいと思いました。
その部屋は10階で、広い窓から広々とした東京の景色が見渡せました。
「お姉ちゃんの会社も見えるよ。退院したら一緒に言ってみようよ」と、私は母に言いました。
母はにこにこしながら、「こんど元気になったら、思いっきりわがままに生きるんだ」といいました。
独り言のように、歌うように言いました。
その時、私ははっきりと、それが私に対する母の遺言であることを感じ取りました。
おそらく母は、もう自分の命が長くないことを知っている。
そして娘である私に、「我慢するな。わがままに、好きなように生きなさい」と言ったのだと思いました。
 
ずいぶん後になってから、母は自分の選択した生き方で、娘である私に大きな負担をかけてしまったと、自分を責めていたのではないかと思うようになりました。
私は母に対して、抉り取ることのできない自責の念を抱いていますが、
母は母で、私に対しての自責を、感じ続けていたのかもしれないと思います。

母は、本当に、周りの人に気を遣う人でした。
もう思うように歩けなくなって病院に向かうタクシーの中でも、運転手さんに気を遣っていました。
入院したらしたで、医師看護師、同室の全ての患者さんに気を遣っていました。

どんな時でもにこにこし、自分の要求を通そうとすることはありませんでした。

私は、その母の気質をそのまま受け継ぎました。
 

私は時々思うのですが、母は確かに我慢を重ねた人生でしたが、ある意味では、かなり我侭に生きたとも感じます。

親類縁者を全て敵に回した状態で、それでも成し遂げようとしていたことがありました。

そのことは、母の心身を痛めつけ、寿命を縮めたように思いますが、それでも苦しみながら母は、どうしてもそれをし続けようとしました。


 
人は見ただけではわからない。
どんなに幸せそうに見える人も、深い苦しみや哀しみを抱いている。
これは私の考えの根本です。
けれど、自分の要求は絶対に通そうとする人たちも居ます。
他者の言葉を、めったに真に受けない人たちも居ます。
人が話したくない、触れて欲しくないと思うことを、平気で尋ねてくる人が居ます。
 
私はそういう人たちが大嫌いですが、そんなふうに生きられたら、人生楽だろうなあ・・と思います。
そして又、そんな人生つまらないだろうなあ・・とも思います。

あの日の母の言葉を受け止め、私が我侭に生きてきたかといえば、それは違います。
我侭に生きなかった深い悔いと自責が、体に埋め込まれ、それは腐敗し、日々、毒素を滲ませています。

「生きたいように生きる」というのはどういうことか、わかるようなわからないような気持ちです。

ある部分では、生きたいように生きていませんでしたが、別の部分では、私は生きたいように生きました。
あの日母が私に伝えたかったことを、私は理解したつもりでしたが、うまくはできないことが多かったように思います。


根本の気質は変わっていませんが、それでも「人からどう思われるか」については、ほとんど気にしなくなりました。
これは、私自身が病気をしたからだと思います。

嫌われても、変な人と思われても、一向に構いません。


たった一度の人生だから、生きたいように生きればいい。
そのとおりです。

それでも、様々な事情や、大事な人のためや、優しさゆえに、それが叶わないときもあるでしょう。
それはとても苦しい状況だと思います。
けれど、時は流れ、状況は常に変わっていきます。

他者の思惑や悪意のために叶わないなら、戦えばよいと思います。


うまくまとまりません。

「生きたいように」生きたい、と思います。



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